認知症と意思能力の関係性について
認知症になると、
- 今何をしているのかわからない
- これまで出来ていた動作ができなくなる
- 家族の顔すらわからなくなる
というように様々な認知機能が失われます。
物事を認知する力が失われてしまうのは、単純に患者が家事や仕事をすることが困難になるというだけでなく、その行動に当人が望んでもないことをやってしまう可能性があります。
それは法律的な手続きでは非常に問題です。
というのも、なんらかの取引するときには両者の合意が必要であるのに、一方が認知症であれば片方だけの意思で契約に至ったかもしれないからです。
そのことを踏まえて、法律では認知症の患者で医師に何かを判断する力がないと診断された場合には、自分で予測や判断を行って決定する精神的能力がない人を意思能力がないということで、契約などの法律的な行為を行っても無効にすることができるとしています。
では、認知症の患者が不動産の売買など、どうしても契約をする必要に迫られてたときにはどうするのかというと、成年後見制度を利用して、親族や弁護士が代わりに契約をすると言う形が、法的な効力を持たせることが出来る方法です。
成年後見制度では、どの程度の意思能力を有しているのかによって「後見」、「保佐」、「補助」という三種類の職務があります。
全く意思能力がない場合には後見、ある程度の意思能力がある場合には補助という風になっています。
それぞれで代行して契約できる内容に違いがあります。後見であればすべての法律的な行為の代行が可能です。